元気な太陽光
原子力発電そのものは「CO2を出さない」のですが、ウランの製造や発電所の建設など、発電そのもの以外のところで大量の「CO2を出す」石油を使用しているのは事実ですから、「原発はCO2を出さない」は1種のごまかしでもありましょう。
いずれにせよ、「地球の温暖化」は人間の努力ではとても制御できるような問題ではなく、ほとんどは太陽活動に依存する問題でしょう。
また、「地球温暖化」には、農産物成長の促進というような利点があることも事実です。
もし、「地球寒冷化」が起きていれば、世界中に食糧危機を招くでしょう。
ここで、誤解のないように述べておきます。
もちろん、「CO2排出量削減」は有限の化石燃料の節約に直結しますので、私たち全員が努力しなければならないことですが、そのことを「地球温暖化防止」に結びつけることに私は反対するのです。
また、現時点で、電力生産の効率、コストの点で原子力発電は火力発電に劣ることが指摘されることもあります。
電力生産の効率、コストは、発電に要する直接的コストのほかに、発電所設置のための土地買収、広報などさまざまな間接的コストが加算された結果ですから単純な議論はできないのです。
また、化石燃料が枯渇してしまえば、効率、コストの点で原子力発電と火力発電とを比較することは現実的な意味を失います。
効率、コストがどうであれ、化石燃料に頼る火力発電から脱却せざるを得ないからです。
私は、原子力発電所を見学するたびに、幾重もの多重防護に囲まれた堅固な砦のような施設に驚かされますが、加えて、ここまでする必要があるのかと思われるほどの広報活動、1般市民向け見学サービスなどに胸が痛む思いすらするのです。
社会、1般市民の原子力発電に対する「冷たい風」を意識したものでしょう。
このような「サービス」に要する費用も甚大なものではないでしょうか。
当然、そのような費用も「電力生産の効率、コスト」に反映しているのです。
ちょっと休憩Aは、科学史上、最も人気のある、また1般的に最も知られた科学者でしょう。
科学者としては珍しく、伝記の類も無数に出版されています。
私も「 A 」と名のつく本なら、どんなものにも飛びついてしまうほどの、また、自分でも『 A 丸かじり』( S 新書)という本を書いたほどの A の熱狂的ファンです。
私は、Aの「永遠の子ども」のような感性が大好きなのです。
A が最も人気のある科学者であることの理由の第1は、もちろん、物理学上の前人・後人未到ともいうべき傑出した業績であることはいうまでもないのですが、加えて彼の生い立ち、経歴、哲学的言動なども挙'ずられるでしょう。
アメリカの週刊誌「T」が「20世紀を代表する人物」「世紀の人」として、さまざまな分野の重要人物の中から A を選出したのも大いに理解できることです。
9.太陽エネルギー太陽の恵みここまで、有史以来、人類が利用して来たさまざまなエネルギーについて述べたのですが、人間が利用しているエネルギーはすべて太陽エネルギーと地球の活動によってつくられた「自然エネルギー」であります。
結局、地球上のすべての生物はもとより、独自の科学と技術でさまざまなエネルギーをつくり出して来たような錯覚に陥りやすい人間が利用しているエネルギーの源泉をたどれば、太陽エネルギーに行き着くことになるのです。
水力発電によって電気エネルギーを得る過程を考えてみましょう。
地球に降り注いだ太陽エネルギーの1部は熱エネルギーとして地球表面(地表)に吸収され、水分を蒸発させて水蒸気をつくります。
この水蒸気が上空まで立ちのぼって冷却されると雨になって再び地表に戻ります。
雨が山など高い土地に溜ればエネルギー(力学的エネルギー)を貯えることになり、この水が潜在的に持つ位置エネルギーを利用しての発電が水力発電なのです。
また、地表の温度差は気圧差を生み、その気圧差が風を生みます。
この風を利用する発電が風力発電です。
風と気圧差は海面(もちろん湖面や川面でも)で波を生み、この波を利用するのが波力発電です。
塩分の濃度差を利用する濃度差発電や海水の温度差を利用する温度差発電の源も同様に元はといえば太陽エネルギーです。
さらに、新しい燃料として期待されているバイオ燃料のバイオも、化石燃料の石油も石炭も元はといえば生物の死骸ですから、太陽エネルギーの賜物です。
そもそも、地球上のすべての生物は、太陽エネルギーを利用するという以前に、太陽エネルギーの恵みのお蔭で、この地球上に登場できたのですし、生存できているのです。
したがって、人類を含むすべての生物が使用、利用して来たエネルギーとして、太陽エネルギーは他のエネルギーと同列に扱うことはできず、まさに別格なのです。
この太陽エネルギーの源泉は、太陽で起こっている水素の核融合です。
2個の水素(H)の原子核(陽子)が融合して、質量数2の重水素(fH)ができます。
さらに重水素が融合すると2個の中性子と大量のエネルギーを放出してヘリウム(He)ができます。
この時に放出されるのが太陽エネルギーです。
以上のように、太陽エネルギーは広大、膨大な量なのですが、本章で述べますのは太陽光発電の源の太陽光です。
太陽エネルギーの利用太陽は、およそ4×100ワット(W)のエネルギーを絶えず宇宙空間へ放出しているといわれます。
計算によれば、地球表面の1Cm2が1分間に受ける太陽エネルギーの量は平均約2カロリー(2Cal/Cm2.min)です。
この太陽エネルギーが自然生態系を支える基盤です。
われわれの「利用」の観点からいえる太陽エネルギーの利点としましては資源量が膨大である。
あと50億年ほどは持続する○ 無料である。
この上なくクリーンで安全なエネルギーである。
化石燃料など他のエネルギーに比べ偏在性が小さい(どこにでもある)などが挙げられます。
1方、欠点は地域的、時間的変動性が大きく不確定である。
エネルギー密度が小さいなどです。
このような太陽エネルギーは図24にまとめられますように、さまざまな形で直接的あるいは間接的に広く利用されています。いまさらいうまでもないのですが、地球上のすべての生物、とりわけ人間は太陽エネルギーなくしては生きられないことが実感できるでしょう。
光エネルギー未来志向エネルギーの1つとして期待されている太陽光発電は光エネルギーを電気エネルギーに変換するものです。
光は私たちにとって、空気や水や電気と同様に身近なものであり、地球上のすべての生物の生命は太陽から届く光に依存しているのですが、「光とは何か」という問いに答えるのは「電気とは何か」という問いに答えるのと同様、あるいはそれ以上に簡単なことではありません。
もちろん、私たちは日常経験から「光がどのようなものか」についてはかなりのことを知っています。
私たちの周囲には太陽光、星の光のような自然光、"電灯、最近ではレーザーや発光ダイオードの"人工光など、さまざまな光がありますが、これらを日常的な言葉で簡潔にまとめますと「目に明るく、あるいはまぶしく感じられるモノ」でしょう。
ところが、「光とは何ものか」つまり「光の本質は何か」という物理的な問いとなると、その答は容易には得られないのです。
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